オイルマネーで沈没船調査

アメリカ政府の最新の新しいガイドラインではアメリカ近海でパイプラインなど海底に手を加える場合でもきちんと考古学の事前調査が義務として課せられています。水深に限らず工事区域内で遺跡が発見された場合は工事会社などの責任で発掘をしなければなりません。そのため殆どの場合沈没船が発見されればパイプラインのルート変更などで対処しています。実際に発掘されたケースもあります。Mardi Gras沈没船はその一例です。

製油会社はこれらの事前調査を海洋調査会社に委託するケースがドンドン増えており、新しいビジネスとして広がりつつあります。もちろん遺跡としての保護も大切ですが、経済効果も見込まれるでオイル会社以外にとってはプラスといっても良いのではないでしょうか?また、製油会社も遺跡の保護を目指していますと宣伝することで会社のイメージアップも考えられます。もちろん事前調査にはお金が掛かかりますが、油田設置のための全体の費用に比べれば安いようです…これらの調査で発見された遺跡は他の海洋資源や野生動物保護など共に政府がデータベース管理を行っています。基本的には海洋資源などの調査と並行して考古学調査も行われています。海洋資源も海底文化財もどちらも重要で価値のあるものとしてとらえられています。

日本でも海底や護岸工事、浚渫の際に考古学調査を義務つける必要性があると思われます。それに伴い委託事業が増えれば地域の経済効果も多少あるのではないでしょうか?ユネスコ水中文化遺産保護条約にも遺跡の保護に政府が積極的に介入することを進めています。また、現在海外で勉学に励む若い水中考古学者やこれからこの学問を始めようと思う人にも受け入れ先を作るのには良い機会だと思います。

  

引用元:http://www.bloomberg.com/news/2011-06-15/oil-rules-turn-drillers-into-shipwreck-hunters.html

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