あけましておめでとうございます

2009年もいよいよスタートです。皆様にとって2009年が有意義のある年でありますように。

今年の水中考古学はいったいどのような動きがあるのでしょうか?世界的に景気が悪くなっているようですが、この学問は景気に意外と左右されやすい性質を持っていますが、それはどの学問も大体同じなのではと考えていますし、逆にこのようなときこそ情報を発信し人々の興味のある研究を紹介していきたいと考えています。

今年最初のニュースはユネスコ水中文化遺産保護法が正式に採択されて機能し始めることではないでしょうか?1月には動きがみえてくることでしょう。国や地域で水中文化遺産の保護・活用を考えることが現在必要になってきています。水中遺跡の発見やデータベースの作成、自治体の水中遺跡に関する認知度の向上などは資金が少なくても出来ますし、またひとつの遺跡の発掘よりも将来的に大きな意義を持つ活動だと考えています。2009年こそ日本国内で組織だった水中考古学・水中文化遺産を組織的に組み立てていく骨組み・基礎を築くのに良い年ではないかと思います。

さて、海外の動向ですが、なかなか何が発見されるからないものですが、景気を考えるとすこし深海考古学の発達の動きが鈍る可能性も考えられます。しかし、良いアイディアを持った民間企業が逆に伸びる可能性もあり、実際に有効的・効果的なテクノロジーに焦点をあわせた開発が進む可能も充分ありそうです。また、テクノロジーとの融合だけではなく、他の分野ー海洋学・地質学などーとも共同研究が行われています。地中海やアメリカなどでは大発見と言うようなものはそれほどなさそうですが、今まで発掘されてきた遺跡を総合的に研究し、他の考古学・歴史学の分野との融合を深める動きも見られるようです。10年前まで一部で存在していた「水中考古学は遊び」のような雰囲気は欧米では全くなくなっています。地中海などではウルブルンのような大きな発見などは期待できませんが、今まで研究がされていなかった地域はまだまだ発見がありそうです。

今後はアジアやアフリカでの発見が期待されています。アフリカのナミビアで発見されたスペイン船の今後の研究の動きも気になります。中国や韓国の研究者はやはり海外の研究者との結びつきを重要視し始めています。南海1号や蓬莱沈没船の研究事例が少しずつではありますが、世界の研究者の注目を受け初めています。また、鷹島海底遺跡に関する関心も海外で強まってきています。2010年以降は交際的・学際的な研究がより重要視されるものと思います。  

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